mathichen独話【Hatena版】

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心眼を開く海の広さを見抜けず

ノッソリ起き上がり、ヤホージャパンTOPを覗いたら
『新婚で身重の妻が早くも私の両親に不満を持ち始め、困っています。』
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail.php?qid=1493053404&sort=1&fr=top_mantenna




「私の両親や家族はザックバランで気取らぬ連中です。」
に対して





世間一般的に見れば 非常識で 自己中心的な迷惑な人たちです。
相手のためと言いながら 実際は自分たちの欲望を満たすための行為でしかありません。
あのね!貴方のご家族に対して奥様はいつもアウェーなんですよ。
貴方だけがホームでしょう。
ご両親もあなたの事を思えばの行動でしょうが、それは貴方を通してのお嫁さんだからです。
お嫁さんの変わりはまたいますけど貴方の代わりはいないのですからね。
ホームの貴方が奥様の事をもっとちゃんと見てあげなければいけないでしょう。
嫁姑の戦が始まるのは、全て旦那の思いやりの無さから始まります。
どんな時でも奥様の味方をするべきです。
新婚旅行のつもりでと言って、貴方の義父母、親戚が一緒なんて意味がわかりません。
お母様が悪いとは思いませんが、そこ等辺はもっと気遣いしないといけないんじゃないですか。
大分残念な貴方です。





ホーム&アウェー、上手いこと言いましたな
時々怪しい笛吹かれるものの、基本は理不尽なまでに擁護される多いホームチーム側に
同町の幼なじみだろうが、相手のスタジアムでは他所者であり続けるアウェー側心理は、まぁ理解難しいわ~
( 家の呼び名違うが、同じ本拠地のインテルミランのような場合だと、さて?ハテ?)




「家と言うのは、女の人のものだと思ってください。
普段掃除をしたり、飾ったりしている人のものです。」
どんなに主婦の実績誇る姑だろうと、嫁来た時点で引退し、次世代の舵取りに委ねる
同居別居関係なく、息子が独立したら、オンナどもの立場は逆転するのが本筋ざます
姑の応援団である親戚一同まで引き連れてなんて、フーリガン認めるようなもんじゃい




夫婦って役割分担あれど、主従関係に縛られない対等の立場にありたいならば
結婚と同時に両方の生家と絶縁し新家を立ち上げ、婚家と実家の概念を打ち壊すほどの必要あるのよ
知恵袋質問者の家庭の場合、夫が実家依存症の傾向ね




ところで、この質問見て連想ゲームした結果が





主人公ジェーン・エアは孤児となり、叔母のリード夫人とその子供達から虐待されて育つ。ある日ジェーンは教育施設ローウッドに送られ、そこで優しいテンプル先生やヘレン・バーンズと出会う。ヘレンを通して初めて忍耐と信仰心を知ったが、折しもローウッドにはチフスが大流行し、後になって環境の悪さ、食物の悪さ、使われている水 の悪さが世間に暴かれるが、そのヘレンは結核にかかり死亡する。

生徒として6年間、教師として2年間ローウッドで過ごした後、ジェーンはソーンフィールド邸で家庭教師として雇われる。そこの当主・ロチェスターに結婚を申し込まれるが、結婚式の際に狂人の妻の存在が判明し、衝撃を受けたジェーンは一人黙ってソーンフィールドを出る。路頭に迷い、行き倒れになりかけたところを牧師セント・ジョンと彼の妹、ダイアナとメアリーに助けられ、その家へ身を寄せることになる。しばらくしてジョンとその妹たちがジェーンの従兄であることが判明する。1年ほどそこで過ごすが、セント・ジョンに妻としてインドへ同行することを求められ、ジェーンの心は揺れ動く。しかし、ジョンの求婚を受けようとしたときに、ジェーンはロチェスターの自分を呼ぶ声を聞き、家を出た。

その後ロチェスターのもとを訪ね、ジェーンは昨秋の火事でロチェスター夫人が亡くなり、ロチェスター自身も片腕を失った上盲目になったことを知る。ロチェスターと結婚することを自ら誓ったジェーンはそのもとを離れず、二人は静かに結婚式を挙げた。

Wikipedia:『ジェーン・エア』より引用 )





『対極に置かれる、英国女性文学2作品』
シャーロット・ブロンテの‘ジェーン・エア’、次に、ジーン・リースの‘サルガッソーの広い海’




‘サルガッソーの広い海’の主人公は、バーサ・ロチェスター
ブロンテ作品では怪物扱いされる、頭が別世界のご婦人ね
彼女の存在が、ジェーンを神々しい女性に仕立て上げられる




バーサは、『クレオール』、西インド諸島の出身であり、ブロンテ作品では髪の毛や肌の『黒』が強調されている
イギリス本国から植民地に移住し、数代に渡って農園などを運営したクレオール
植民地の多分にもれず、圧倒的少数民族に過ぎないに加え
1833年奴隷制廃止法成立・その翌年の施行後には、現地人との緊張関係が続く中で貧窮した者もいた
本国イギリス人から見たら、植民地人と同等の、せいぜい『名誉白人
元奴隷や現地人から見たら、忌み嫌われて排斥すべき貧乏タレ白人
世界の支配者たる『イギリス人』としても、生地の人間としても、その人格を根付かせるが困難な根無し草だ
そんな彼らの一人であるバーサ( 本名ではなく、アントワネットを夫に変えられてしまったんだっけ?)
ブロンテ家は英国では決して上流でなかったが、中流といえる牧師の娘として生まれたシャーロットは
『イギリス人』の偏見の材料として、誰にもわかりやすい西インド諸島に求めたという見方が出来るわな




リース作品ではバーサの視点から、つまり植民地白人の視点から書かれている
( リース自身、英語で小説書いたが、クレオール
彼女の生い立ちやその環境、結婚や狂気に陥るまでの過程、そして何故イギリスに連れて来られたのか
ロチェスター卿は、カリブの島で出会った女性について
「何にもまして彼女が憎かった。
何故なら彼女はここの魔法と美しさに属していたからだ。
彼女は僕を渇いたまま放り出し、
そのせいで僕は見つける前に見失ってしまったものを求めて渇き続ける人生を送ることになるのだ。」
などなど、複雑怪奇で一筋縄でいかないけどね




「彼女の狂気は、本物だろうか?
もちろん、ある所からホントの狂気に陥っていることはわかるのだが、
そこに至らしめたものは何・あるいは誰なのか ―― 」
こう読評書いた読み手、アナタは賢い




リース作品を研究した米国女性作家によれば、「ロチェスター卿の傲慢さが、妻を破滅に追い込んだ」
貴族階級の彼は決して、植民地生まれのバーサを同等の同胞とは見ておらず
そのくせ、『イギリス人』としてのふるまいを強要し、困難だとわかると冷酷な態度を取った
そもそも、バーサの家系にまつわる『狂気』だって、ロチェスターの口から語られる
権力握る一家の主人の語る真実なんて、まず疑ってかかり、聞かされた側が調査すべきでしょ
( これ、離婚経験者の後妻や後夫になる者への警告ですよ
妻の不倫による、有責配偶者の彼女が慰謝料払い、子供手放す離婚だとしても
アウェーな婚家に疲れを見抜けない夫の無関心、巧妙なDVモラハラなどから
自由になりたい一心で、しかし道踏み外してしまった、実質は夫婦同罪といえるケース多い
バツがつくには、それなりの理由がある、何らかの秘密や裏があると人間性を疑え
法的に自由だ、もう一度幸福になる資格あるとチャラケている奴には
回心的改心した生活が冷静な目を持つ誰にも認められない限り、簡単に同伴してはダメ
長引いた調停も喉元過ぎれば何とやら。釣った魚にエサはやらねえ
でなけりゃ、知恵袋や発言小町に何故、後妻の泣き言多いのさ?)




もっともブロンテ作品の方は、所詮は特権階級の中での女性解放もどき文学にしては、結末は皮肉だわ
ロチェスターは片腕を失い、さらには盲目になった
黒い髪や肌を排除出来て、思い通りの『イギリス人』を手に入れた代償として
彼女の明るい髪や肌を目にする機会は永遠に失われたわけじゃん
視力には問題見られなかった、しかし心が盲いていた愚者への贈り物ですよ