mathichen独話【Hatena版】

Yahoo!ブログ別館の保存庫

原罪と贖罪

酷暑その他にやられ、睡眠リズム×
昨日の午前中、アクビしながらザッと読み直したのが
 
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思う所あり、正午過ぎからアメブロ別荘にて、【人生のいちばん長い日~希望か、慟哭か~】
 
で、さらに思う所あり、今日Yahoo!独話別館にて
 
 
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『ナパームの少女』として有名なファン・ティ・キム・フック
彼女が爆撃から20年あまり経った1996年、米国の復員軍人集会で講演した時
運命のナパーム投下したパイロットと対面しました
パイロットは、メソジスト教会のジョン・プラマー牧師になっており、「すみません。すみません…」
 
プラマー青年のヴェトナム出征の背景はわかりません
ナパーム投下は、あくまで任務の一つだったのでしょう
しかしながら、故郷の友人たちや婚約者でさえ、『赤ん坊殺し』を見るかのような目を向け、傷つきました
 
キムは国のお上から利用され、カナダ移住。ヴェトナム時代にキリスト教に帰依、移住後も変わらず
「いいんですよ。赦します、もう赦しますから」
…加害者と被害者、それぞれ苦悩は違っても、天の神さんは善くしたものですわな
 
ヴェトナム帰還兵といえば
 
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同じ高校からヴェトナム出征したメグス(ロバート・デ・ニーロ)とデーヴ(エド・ハリス
ある日、母校の廊下でデーヴが暴れたことから大ゲンカに発展します
その際、メグスが怒鳴った言葉が印象的です
「オレは、徴兵された。おまえは、志願じゃないか!」
召集令状来てイヤイヤ出征した自分が、何とか折り合いつけて生きている
忠義無双から自分で選択しておきながら、いまだに泣き言は見苦しいぞ
 
デーヴは自分の非を認め、グループ療法に再起を賭ける所で映画は終わります
牧師にはならなくても、市井で静かに暮らす後半生は得られたのやら?
 
エド・ハリス出演作には
 
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嫁のエーミー・マディガン共演作‘アラモベイ’(1985年)
 
米国移住したヴェトナム難民をめぐり、排斥しようとする彼と、護ろうとする彼女
彼女が彼を撃ち、幕切れ
 
映画は正直、イマイチの出来でした
ただ、ヴェトナム難民の受け皿が、かつての敵対国に用意されていた事実は見過ごせません
先進国と呼ばれながら、難民への門戸は異常に固く冷淡だった、どこかの極東島国を思えば
 
近藤紘一氏に戻ると
“目撃者”の中に、『選択ごっこ』という随筆が収められています
その一部を…
 
…今、ふりかえって、「選択を誤ったとき」の切実な思い出がひとつも浮かんでこないのは、私自身も「人間の条件」を忘れたヒツジの群れの一員として、ときにぶつくさ文句をいいながらも結局は太平楽にこの世を生きてきたからにほかなるまい。 …

…日々の小さな選択の集積の収支決算がいつか徐々に表面化しはじめ、棺に入る直前になって人は「オレは然るべく生きた」あるいは「どうやらオレは選択を誤った」と初めて口にできるのではあるまいか。だから、まあ、とりあえずは小さなことでくよくよするな、ということにもなるのだが―。

( “PHP” 1985年6月号掲載 )