mathichen独話【Hatena版】

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歌に生き愛に生き、神の眼差しの下に死んだ

 
カラスの声域と声質は、本来、野太いドラマティック・メゾソプラノにもかかわらず
師事したイダルゴ先生というのが、軽いコロラテューラ・ソプラノ、それ以外教えられないってんで猛特訓
驚異のソプラノ歌手、20世紀屈指の歌姫誕生
 
 
 
 
 
フランコ・ゼフィレッリは、1964年、英国ロイヤルオペラの♪トスカ演出の際
「トスカは、悪人スカルピアを愛する可能性を封じるため、彼を刺した」という解釈を示しました
 
 
正直な話、「女をわかってないね」
 
 
トスカというのは、美声を認められた羊飼いであり、根はごくごく純朴な娘
恋人カヴァラドッシの描く肖像画のご婦人に嫉妬する、何とも単細胞
亭主が浮気しようものなら、狂言騒動起こして周囲を振り回す嫁タイプ
言い換えれば、貞操観念シッカリした古風な女性
他の男に目をくれるなど聖母様から怒られちゃうと震えるはず
 
 
歌に生き、恋に生き、決して悪いことはしませんでした。
哀れな人たちと知れば、手を差しのべて助けました。
いつも心からの信心を込めた私の祈りは祭壇に昇り、
いつも私は心からの信心を込めて祭壇に花を捧げました。
この苦しみの時において、主よ、なぜ私にこんな報いをお与えになるのですか?
私は聖母様のマントに宝石を捧げ、星々に歌を捧げれば、
星々は天上で一層美しく微笑みかけてくれたのです。
なぜ・・・ なぜ、主よ・・・! 私にこんな報いをお与えになるのですか?

( 参考文献: 名作オペラブックス4  プッチーニ ‘トスカ’ )
 
注:歌に生き、愛に生き
一般には「歌に生き、恋に生き」で知られているが、
トスカは「私は歌に生き、神へのamoreに生きてきたのです。」と歌うので、
ここでのamoreは「愛」と訳すのが妥当である。
(amoreを「恋」と訳すと「神への『恋』に生きる」になり、間違いである。)
 
Wikipedia:『トスカ』より引用 )
 
 
♪歌に生き、愛に生き
ここで歌われる『愛』、神への信仰という意味ですよ
おっさんイタリア人のくせに、キリスト教の知識あらへんのかい?
 
 
主演のカラスが、JFK未亡人へと走った海運王オナシスから捨てられるに繋がる
その愛憎劇が念頭にあったみたいですが…