mathichen独話【Hatena版】

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愛に生き、誇り高く散る

寒さストレス他から寝込んでいる最中
布団の中で連想ゲーム中に浮かんだネタを覚えているうちに






赤い靴はいてた女の子が誰かにについては諸説ありますね(Wikipedia参照
それはさておき、海の向こう遥か遠い国へ渡る少女、飛行機でなく船での移動の時代であり、哀愁を感じます



遠い昔々、小さな子供が日本から海外へ渡るといえば






プッチーニ作曲♪蝶々夫人の幕切れ場面
待ちに待った夫ピンカートンが戻った喜びもつかの間、自分は現地妻でしかなかったを知る蝶々さん
坊やは、ピンカートン夫妻が引き取り、正妻ケイトは立派に育て上げると約束する
蝶々さんはケイトを祝福し、坊やと今生の別れを済ませた後、自刃してしまう



蝶々夫人で有名なのはやはり






桃屋三木のり平いかの塩辛~じゃなくて、ピンカートンが戻るであろう♪ある晴れた日に



歌うは、ハンガリーの歌姫シルヴィア・シャシュ。映像は、1979年来日時のもの
ハッキリ言って調子悪い、でも全盛期(29歳)の映像だってんで
この人は演技力抜群、演奏会形式でも説得力見られます



蝶々さんは声楽面のみならず、演技面でも難役
日本人歌手だと、日本らしさを意識しすぎる。外国人歌手は、理解するだけで難易度が高い
シルヴィアちゃんは、大仰な所あっても、万国共通の若い女性らしさでよろしいんじゃありませんこと?



何故、万国共通でよろしいのか?
宮崎あおい主演で「蝶々夫人」をドラマ化...『蝶々さん』
“蝶々夫人”は悲劇ではない~オペラ歌手岡村喬生80歳、イタリアへの挑戦~
レコード史上サイテー誇るシューベルト♪冬の旅でも、シャベリは上手い岡村大先生、何やってんのぉは置き
最近TV観ないのでようわかりませんが、何かスッキリしない話なのさ



第一に



「日本人に最も有名でありながら、日本文化へ様々な誤解を生んできたオペラ♪蝶々夫人
「岡村大先生は、100年以上前に作曲された♪蝶々夫人は異国趣味が強く、日本についての正しい理解が云々」
何でそこまで『日本文化』にこだわるんでしょうね
プッチーニの遺族が新演出を許可してくれない。『芸術には、時代考証などは不要』が理由」
これに尽きるでしょ
蝶々夫人は日本を舞台に描いたイタリアオペラであって、日本オペラじゃないんですから
長崎にフジヤマ見えるような、まぁ誰が見ても違和感あるのはアレですがね
(喜)歌劇で現実認識を主張したらイエ口ーやレッドカード多数、オペラ芸術の危機を迎えます
季節な劇団演出家はイタリアで現実認識演出を提供するも、それ以上でもそれ以下でもない出来ですぞ
なら、珍妙でも魅せる心打つ舞台がサイコー



第二に



プッチーニの思い描いた物語自体、哀しい結末を迎えるものの全くの悲劇ではない
よーく考えてみましょうよ。蝶々さんは決して、紅涙さそうだけの悲劇のヒロインじゃありませんぜ
具体的に言えば、『意志の強い女性』






第一幕、婚礼の場面。ボンゾ(坊主)が蝶々さんのキリスト教改宗を知って怒鳴り込んでくるくだり
ご先祖様に失礼どーたらと詰問されたって、蝶々さんに通じるか?
夫に従う貞節な妻であり、ご主人様の信じる神様が自分の神様でもある、それだけの話
日本人だってそう娘に説教するんちゃうんかい?どおよ?
周囲から見れば幼い少女(15歳)であろうが、蝶々さんにすれば従順にして意志を通したまでの賢妻
必要言われたら、着物でなく洋装での登場かも
(アタクシなら、着物嫌いなもんで洋装取る。え、どーでも?フンだっ)



オペラ幕切れの場面だって、意志の強さがひしひしと伝わります
上海出身のYing Huangちゃんに言わせれば、「う~ん、死ぬ必要あったのかなぁ」
ピンカートンの不実知っても、坊やさえ残るなら、生き続けたでしょうね
「子供のために芸者に戻って恥をさらすよりは死を選ぶわ」、感情的になっているだけ
子供のためなら、死ねませんよ。芸者に戻るか、ヤマドリ公に頭下げるはず
最後の生きる希望であった坊やを失ったから、女性だけでなく母親の誇りをも失ったから、自刃を選ぶのです
生き恥さらすを選ぶも、自刃を選ぶも、自らの意志。状況に流されるだけの悲劇のヒロインじゃ無理な相談



これはあくまでアタクシの持論なので聞き流してくれて構いませんが
最後の最後に、ピンカートンが「蝶々さん」と駆け寄ってくるの、あれ何とかしてくれん?
彼はすでに自分の卑劣さを恥じ入っている、さらに罪悪感を植え付けるのは如何なのものか
坊やが海を渡り、ピンカートン夫妻のもとでアメリカ人として育ち成長する以上
父親の責任果たすピンカートンに重い十字架を背負わせるのは、蝶々さんも望まない気がしますけど



なお、蝶々夫人には後日談が2種類
蝶々夫人その後…~歴史とはずがたり~
新作オペラ世界初演『Jr.バタフライ』4/6, 8, 10東京文化会館
母親の愛の強さが繰り返される前者がイイや
後者はどう聴いても、下手なワーグナーもどき~