mathichen独話【Hatena版】

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ボールは慟哭と恩讐の彼方に想いを馳せて飛ぶ





EUROサッカー欧州選手権1992年大会
本大会出場が決定していたユーゴスラビアが内戦による国際試合参加禁止の制裁により出場権を剥奪され
予選同組2位の、休暇先でボーッとしていたデンマークが呼び出され
夢見心地のままプレーしたのかは知らんが、よりによって極悪ドイツに勝っちゃって欧州制覇
統一後初のタイトル逃がしてガックリの反対側では、開催国スウェーデンの皆様も沸き上がる北欧勢
何でもスタンドからはドイツに対して、「Auf Wiedersehen!(さよ~なら~。再見)」
考えるまでもなく、ドイツにはハプスブルク帝国に負けず劣らずの、全欧州を二度目の大戦へと招いた歴史ある
フットボールは戦争だという奴は、本当の戦争を知らん」
クロアチア出身のズボニミール・ボバンが主張説教したって
人間やっぱ大なり小なり代理戦争やっちゃう性みたいですねぇ…




アタクシの見る所、「あららら、北欧勢はおよそ半世紀経っても、『第二次大戦中の連帯』やってんのね~」




デンマークは鉤十字ドイツに占領された欧州諸国の中で唯一、ほぼ全員のユダヤ人が助かっている
デンマークは昔からユダヤ人に寛容で、社会に受け入れ、尊敬し、平等な扱いを与えていて
国王は公然とユダヤ人移送の反対を表明、ユダヤ人との連帯を示すなど
デンマーク人は、ユダヤ人問題を孤立した少数民族の問題でなく、デンマーク国民全体の問題として考えていた
強制収容所が解放され、最初に国に戻れたのは、デンマーク国籍のユダヤ人であり
移送された464人のうち、死亡したのは51人だけだった(移送者、生存者、死亡者いずれも奇蹟的数字)
漁師から政府高官に至るまでデンマーク人全体が、あの手でこの手でユダヤ人救出を行い
自力で行動出来ない障害者や老人たち、自分を守る財力持たない貧しい人々以外
実に90%以上のデンマークユダヤ人が強制収容所移送を逃れた
ユダヤ人に避難場所を与えたのは、中立国スウェーデン政府
ドイツの敗北は時間の問題だと見て、ドイツ政府を怒らせるを熟知した上での判断だった




他の占領国、同じくドイツから手痛い目に遭わされた国と比べてみましょう




ポーランドは昔からカトリック国で、反ユダヤ主義が根強い
同じポーランド人でありながら、アーリア系とユダヤ系は戦争中も、一線を画し対立していた
アーリア系による密告行為も当然あったでしょうな




密告といえば、アンネ・フランク他『後ろの家』の8人は、オランダ人女性の声による電話が運の尽き
密告者はどうやら、隠れ家のあった建物の倉庫係の妻である掃除婦レナ・ハルトホ=ファン・ブラデレン
ただアンネたちは、ミープ・ヒースを筆頭とする支援者たちが忠実であったのが救いとなった
潜伏自体、何年来の友人たちから手厚くと、他のユダヤ人と比べたら幸運だった
多くの潜伏者は、見ず知らずの人に頼るしかなく、全員が恵まれていたわけではなかった
最初は手助けしてくれる素振りを見せても、急に不安になり、潜伏者と手を切ろうとしたり
ユダヤ人の窮状を支援する振りして、儲けの種にする輩いたり
支援しても、かなり劣悪な環境でのボッタクリが多かった




ウクライナなんて…第14SS武装擲弾兵師団
これ、ウクライナ系移民多いカナダ辺りでは、いまだに黒い疑惑だ




旧ソ連といえば




杉原千畝第二次世界大戦中、リトアニアカウナス領事館に赴任していた
鉤十字ドイツの迫害によりポーランドなど欧州各地から逃れて来た難民たちの窮状に同情
外務省からの訓命に反して、大量のヴィザ(通過査証)を発給し、およそ6000人にのぼる避難民を救った
その避難民の多くが、ユダヤ系であり、戦後イスラエル政府から表彰されたが
国賓扱いで迎えられた空港に待っていた政府高官の多くが、『命のヴィザ』に救われた人たちというから…




「大したことをしたわけではない。当然の事をしただけです」(杉原語録より)
デンマーク人も、「特別なことは何もしていないよ」
ユダヤ人に触発されたからこそ、デンマークの抵抗運動はあのような強さを持ったのかもしれない
ユダヤ人は我々に何も恩義を感じる必要はない
デンマーク人は友人として当然の事をしただけなのだ」




「一人の命を救う者は全世界を救う」(ユダヤ教タルムードの教えより)
それじゃぁ、何十何百何千人もの命を助けた者は?神さんかい?
いいえ。やはり人間です
「私に頼ってくる人々を見捨てるわけにはいかない。でなければ私は神に背く」(杉原語録より)
ほんの少しの勇気と深い人間愛を持っていれば、誰でも可能でしょう