mathichen独話【Hatena版】

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Love makes the world go round. (愛が世界を動かす)

ある日本のソプラノ歌手が一昔ちょい前に語っていました
「欧州の劇場出演したり、日本国内でも欧州の演出家の方とお仕事したりして、難しいこと2点
(1)意見がなかなか言えず、すぐに『はい』
(2)人を見る視線の合わせ方、目の表情に、洋の東西の違いある」
 
(2)は、たとえば、男女のいさかい後の和解において
東洋では、女性の場合は母性的な、思いやり深い目
西洋では、「さて一件落着。この後はワイワイお茶しましょ」的なスッとした目
こんな感じ
「東洋には、情はあるけど、愛は無い。西洋には、情は無いけど、愛はある」
アタシの友人の言葉が当てはまりますかね?
西洋では、悔悛すれば、ムショの中でも社会貢献出来る
東洋では、不当な軽罪で済ましたクソッタレが、TVなんかにエラソーな顔見せたりする
…を見ても?
 
上記のソプラノ歌手の持ち役に、R・シュトラウスの♪アラベラ、妹ズデンカが含まれています
 
                        Er ist der Richtige nicht für mich...
 
                        Lisa della Casa -Arabella- 1960
 
伯爵令嬢ながら、貧乏ゆえ、妹の方はカネかからない男の子暮らし
ズデンカは姉思いであるものの、アラベラの言い寄る男どもへのつれない態度が理解出来ない
自分の好きなマッテオが、アラベラにご執心。ズデンカは彼の想いを叶えてやろうとするだけに、なおさら
 
姉は姉なりに、それなりの事情を持ちながらも、娘らしい心は持っている。それが、上の場面
妹のグサリ来る一言に動揺し、独り真情と向き合う。それが、下の場面
 
血気盛んな求婚者マンドリーカとのスッタモンダ、最後には和解を見ます
それが、次の映像、歌劇の最終場面
 
 
アラベラは当たり役の一つであるキリ・テ・カナワ
優しい表情であっても、欧州の華やかな都ウィーンの伯爵令嬢らしい、矜持の高さを捨ててはいませんよね?
 
ところで、2番目の映像で歌うリーザ・デラ・カーザ、スイスの上流令嬢なのですが
数十年来のファンである大学教授によれば、高みから降りる勇気を見せました
病弱な息子のために、表舞台から去る時機を見極め、スパッと引退
…上手く言えないですけど…
美しい姿を人々の記憶に残し、世俗での裏方に回る。真の上流人種なればこその潔さでしょう