mathichen独話【Hatena版】

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Wacht auf ! ( 目覚めよ!)

昨年内ギリギリに、スポナビ様へ出かけてレッズおばさんにご挨拶
元旦早々は未明まで、ヤホーの挨拶回りと更新
その後寝つけず、午前中にタヌキ寝入りした程度であるものの




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焼きラーメン頼んでも1596円に抑えといたがな




今朝は今朝で、また寝つけず、午前5時と5時半に2回のジジィ大騒音により悪化
クタビレてるおかげ様、7時前に意識不明になれた
昼には何とか目覚めて










本館の【Fanget an ! ( 始めよ!)】が第一幕なら、独話別館では第三幕から
Wacht auf ! Es nahet gen den Tag. (目覚めよ。朝は近づいた)
ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団全曲音源より
1968年にドイツ・グラモフォンがスタジオ録音、でも陽の目を見たのは20年後という気の毒な話
有名な靴屋ハンス・ザックス歌手が何か邪魔立てしたんですと
たぶん、このオッサン。中身はカラやんの英国EMI録音決まってたんで、競合品いらねえ~???




この楽劇、1960年代、米国のフェミニストから、「女を歌合戦の賞品になんてッ」
アラ、そーですか?米国といえば、菜食主義マニア多い。菜食主義は栄養不足でヒス気味だから困りますわ




女を歌合戦の賞品にを説明すると
「金細工師ポーグナーニュルンベルク随一の資産家
ドイツ各地を旅行した経験を踏まえ、芸術を愛するニュルンベルク市民の気高さと太っ腹を誇示すべく
親父の全財産を受け継ぐ予定の一人娘エファが、ヨハネ祭の歌合戦で優勝者によって求婚を許される
歌合戦に参加するにはマイスタージンガーの資格が必要である」




深読みすりゃ、金細工師さんは腹黒くも慈愛深い親父だぜ




まず、エファに課せられた条件を見ろ
ポーグナーが結婚承諾の最終的な判断は娘に委ねたいと希望する
家に帰ればたかが庶民の分際なのに、エリート意識に凝り固まった親方たちはこれに難色を示す
ザックスだけ、乙女心は民衆の嗜好と一致するから審判に民衆も加えたらどうかと提案するが、一蹴される
最終的に、エファには拒否権を認めるが、優勝者以外の人間とは結婚出来ないということで合意する」




職匠歌人の盟主もさすがに、家に帰れば人の子の親父、賞品にされちまう娘のご機嫌取りを忘れずの一方
善意からにしてもだ、崇高なるドイツ芸術の担い手が、17歳くらいの小娘に断られるはずないと信じてるのさ
意地悪い見方すれば、「娘や、断ったら最後、市井で行かず後家だぞ。それでもエエのか?」
何故、市井で行かず後家?結論から書くと、「新教徒、プロテスタントの土地柄だから」
楽劇の舞台となるニュルンベルクは16世紀中葉当時、宗教改革が浸透していた
ところで、新教プロテスタントといえば、旧教カトリックのような修道院を持たない
修道院ってさ、女子の場合は売れ残り娘を尼さんにして余生を過ごさせる、意外と便利な組織なのにね、惜しい
となると、縁のない娘は、いくらカネ相続しようが、小間使い辺りに看取ってもらうしかないわけよ
「婚活だ何だと言って時間を浪費するくらいやったら、見合い断るな」、何と麗しい父性愛




次に、歌合戦参加資格を見ろ
「求婚するからには当然、重婚は許されない、独身者に限る」




ニュルンベルクの親方たちはポーグナー自身と名前呼ばれるだけで登場しない1人を入れて、13人と少数
その中で何人が、「嫁欲しいんじゃ~」のウジ虫湧きそうな男所帯なのやら?数人いるかいないかでしょ
しかも、崇高なるドイツ芸術合戦の優勝者として、市民からも苦情出ない親方…靴屋ハンス・ザックスあるのみ
ポーグナーは男やもめの隣人に娘をくれてやりたいと、アタシは踏んだ
ザックスは本当はエファに気があるくせに、見栄張っちゃって、自分からは動かないのがわかっている
で、ポーグナーは娘を、彼女の意に染まない親方に持ってかれるor行かず後家の瀬戸際に追いやり
「友よ、キミの愛する乙女の危機だぞ、ささ堂々と助けに馳せ参じろ」




軟弱騎士ヴァルター、こ奴さえ現れんかったら、ザックスの想いが叶ったろうにカワイソ
騎士は没落貴族、絶対、逆玉の輿狙いでポーグナー家の客人になってるからね
若い二人が一目惚れし合ったとはいえ、エファは絶対、絶体絶命の危機にイケメン見た気の迷い
第二幕に駆け落ち目論み、ザックスが阻止するが、駆け落ちさせときゃ荒野で現実に目覚めたものを、おバカ
というより、史実のハンス・ザックス、「ワシは、還暦過ぎた後、ギャルを嫁にしたわ」と草葉の陰で泣いてるわ




ヴァルターの成長の証として、優勝後に親方の称号を拒否、「ささやかな市民として生きたい」
残念がら、靴屋に大説教されちまい、親方の称号を受け入れるがよ
一瞬だが、思い上がった貧乏人どもを、称号の虚しさを知る没落貴族が凌駕するのは楽しい~
思い上がった貧乏人ども、言い過ぎ?そーかしら?
ポーグナーは、ニュルンベルクの親方たちが唯一無二、ドイツの伝統を守り続けていると自慢する
16世紀当時のドイツ芸術を見渡せば、ヒビの入った骨董品を後生大事に抱えているだけの話
ま~それを少しは自覚しているザックスが、騎士上がりという新しい血を流入させ、活性化を目論むんだけどさ




Wagner: Die Meistersinger von Nurnberg - Finale (Bayreuth 1944)
「キャ~、れ、レ、Re、のおじさんやなくて、連合軍が押し寄せてきてるのに
ノンキたらしく、崇高なるドイツの芸術どーたらと絶叫してられへんやろぉ」
と思いつつも
「一度目覚める機会を与えてくれた点に関しては、連合軍さん有難うさん
が、戦後の極東島国を中途半端に甘やかし、何か勘違いさせたのは…ちょいとアメリカさん…」